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2009年5月13日 (水)

"Dewey"

Dewey1


"Dewey" by Vicki Myron
出版社 Hodder
277ページ

昨年11月に、"The Diane Lehm Show"というラジオ番組のインタビューで"Dewey" のことを初めて知りました。ここでは何度も書いていますが "The Diane Lehm Show"は私の愛聴している番組で特に話題の本の著者を招いてのインタビューが気に入っています。

この番組を聴くまでは "Dewey"(デューイ)という猫の存在を全く知らなかったのですが、実は日本のテレビでも紹介されたそうで、周りの人に聞いてみたら結構その番組を見たことがあるという人がいました。インタビューが大変おもしろく興味を持ったのでその直後、この本を読みたいと調べてみたのですが、当初はハードカバーしかなく、ペーパーバックになるのを待ってついにこの春入手しました。

アメリカはアイオワ州のスペンサーと言う小さな町の図書館で暮らしていた猫の一生についての話です。氷点下の凍てつくある寒い朝、当時図書館館長を務めていた Vicki さんが、返却ボックスに返された大量の本の間に子猫を見つけるところからストーリーは始まります。足は凍傷で真っ白になっりすっかり凍えきった子猫を抱き上げた瞬間、 Vickey とこの猫の人生(と猫生)は大きく変わります。日本では考えられないことだと思うのですが、この猫が図書館猫としてこの図書館で飼われ、次第にこの町の人々の心をつかみ、癒し、感動を与えることになるのです。

この町だけではなくデューイの評判はアメリカ中、そして世界中に広がりました。新聞・雑誌・ラジオなどデューイを紹介する記事や番組は数知れず。日本のテレビ局がはるばる地球の裏側からやってきて大騒ぎしながら撮影をしていったにもかかわらず、いい所が全部カットされわずか1分半の放映になってしまったとかで、人々はあっけにとられたようですが、それでもスペンサーの人たちの語り草となっているようです。私はこの部分を読んで苦笑です。本当のデューイの姿はちっとも伝わっていないんだなと。

表紙の写真は彼が2歳11ヶ月の時のもの。カメラ目線で小首をかしげたその姿は愛らしく、美しく風格があります。この姿だけでも人々の心を捉えるに充分だと思いますが、彼の図書館猫としての存在意義はそれだけではありませんでした。彼は毎朝図書館に来る人々を入り口で向かえ、人々の邪魔をすることなく、しかし彼の存在が必要な人がいればそばにさりげなく寄り添う。自分の職務を心得え毎日着実に遂行する。さまざまなエピソードを読むに付け彼は本当に特別な猫だと思いますが、特に偉業を成し遂げたから特別なのではなくデューイ自身が特別な存在なのだと著者のビッキーさんは言います。そして彼にはカリスマ性があると。

作者のビッキーさんはアルコール中毒の夫と別れてシングルマザーとして生きてきた人で、彼女の人生にとってDewey はかけがえのない存在になりました。この本はデューイの本でもありますが、ビッキーの本でもあります。インタビューの中でも言っていましたが、デューイはビッキーに遣わされ、ビッキーはディユーイに遣わされた。猫であれ犬であれ、もしかしたら人との出会いもそういうものなのかも知れないと思います。

彼が年老いて亡くなったときには270社の新聞でその死亡記事が載せられ世界中から送られた手紙・カード・メールは大変な数にのぼりました。デューイがどれほど多くの人々の心に触れてきたのかを改めて思わずには入られません。

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