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2009年8月27日 (木)

"From the Mixed-up Files of Mrs. Basil E. Frankweiler"

  Mixedup_4

"From the Mixed-up Files of Mrs. Basil E. Frankweiler"
by e.l.konigsburg
出版社 ALADDIN
162ページ

前回の "The Soloist" とは180度転換、少し息抜きをしようと再び児童文学に戻ってきました。タイトルは長くて複雑そうですが日本語に直訳すれば「ベイゼル・フランクワイラー夫人のごちゃごちゃファイルから」とでもなるでしょうか。

クローディアはもうすぐ12歳になる女の子。4人兄弟で一番上の女の子だからという理由だけで、自分だけ不公平な扱いを受けたり、友達と比べてお小遣いが少なかったりすることに怒っています。単調で同じことの繰り返しの毎日や、ただのオール5のクローディア(straight A's Claudia Kincaid)でいることからも逃れたくなって、家出をしようと計画を立てます。

都会育ちで不愉快なことや汚いこと、つらいことが嫌いな彼女が決めた家出の先はニューヨークメトロポリタン美術館。彼女が選んだ家出の仲間は下から2番目9歳の弟ジェイミー。メトロポリタン美術館で16世紀の優雅なベッドに1週間も寝泊りした子供、いや大人だって、世界広しと言えどこの二人だけでしょう。(でも清潔好きのクローディアはこの優雅でロマンチックなベッドがかび臭くて、洗剤で全部洗ってしまいたい衝動に駆られるのです。)

頭がよくておませな姉と、(子供にしては)お金持ちでしまり屋でユーモアもある弟のコンビが絶妙で、二人の会話がかわいらしくなかなか笑わせてくれます。どうやって美術館の職員やら夜警やらに見つからず、朝夕の開館時、閉館時をやり過ごすかというところもハラハラさせられます。

思いがけず美術館でなぜかクローディアが心を奪われた「天使の像」(Angle) の謎解きを始めるところから、クローディアにとってこの家出にどんな意味があるかが、はっきりとした輪郭を現し始めます。

冒頭は本のタイトルに名前の出てきたフランクワイラー夫人の1ページ分の手紙から始まりますが、その後の物語との関係が最初はよくわからず、ずっと謎だったのですが、最後の方になってやっとつながり、思いがけない展開となっていきます。クローディアの賢さ、まじめさ、純粋さ、感性の豊かさに心を動かされます。

160ページ程度で長さも程よく、子供の心を持った大人を満足させてくれる作品だと思います。初版は1967年ですが、今回私が買った本には35周年を記念して作者による後書きがついています。この後書きは本文以上に私の興味を引きました。ニューヨークもメトロポリタン美術館も35年の間に様変わりしました。

2001年9月11日以後、人々の心や意識は変わり物価も変わりました。ただトレードセンターツインタワーが完成したのはこの本が書かれて6年後のことなので、悲しいかな当時の街の地平線は今と変わりません。5番街のオルベッテイーの店の外のスタンドには、クローディアが手紙を書くのに使ったタイプライターは今ではありません。(オルベッティーのタイプライターと言うだけで私には懐かしい響きがあります。オルベッティーではありませんが骨董品のタイプライターを私は今も所蔵しています。)また二人が"Angle" の謎を調べるために行った53番通りの図書館で使ったカード目録ももうありません。

メトロポリタン美術館はどんどん大きくなり、5番外の正面入り口も一新されました。当時は無料だった入場料が今は違います。メトロポリタンで二人が眠ったあのベッドはなくなりました。二人がお祈りをした小さなチャペルは閉鎖されました・・・などなど、興味深く読みました。

ところで余談ですが、私は4年ほど前、ニューヨークに行った時メトロポリタン美術館を訪れています。入場料は確かにありますが、実のところは suggest (提案)されているもので、自分の懐具合にあわせて払うことができるのです。ニューヨークに住んでいた友人はいつも1ドルくらいで入っていたみたいです。メトロポリタン美術館は本当に巨大です。そしてニューヨークもひたすら巨大でした。

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