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« 英語多読 | トップページ | "Memoirs Of A Geisha" (Penguin Readers Level 6) »

2010年3月23日 (火)

"Heat and Dust"(Oxford Bookworms Library Stage 5 )

"Heat and Dust" by Ruth Prawer Jhabvala
Retold by Clare West
104ページ

語り手の「私」は、祖父の最初の妻Olivia について知りたくてインドへと渡った。Olivia は英国滞在中にインドのプリンス Nawab と恋に落ち夫を捨て彼の元へと去ったのだ。

Olivia が初めてインドに来たのはインドが英国の支配下に置かれていた1923年。そしてその年、 Olivia の人生は永久に変わってしまった。

「私」がインドに渡ったのは1970年代。1923年と1970年代の50年という時を隔てて生きる二人の英国女性の物語が交互に語られていて、読み出したら止められないまさに「page turner」な本でした。

さらにこの二人の物語のおもしろさに加えて、1923年当時のインドでの英国人たちの暮らしぶりと1970年代のインドの様子が大変興味を引きました。今2010年のインドは1970年代からどれほど変わったでしょうか。

路上で死にかけたこじきの女性を見た時「私」は、医者に助けを求めに行くが、どうにもならない現実を知る。「では彼女はどこでどうやって死ねばいいのか」と思いつめていた「私」が、ふと「何百万人もいるインド人がまた一人死んだからってそれがどうなんだ?」と思った時に、そう考えている自分に驚くのだ。インドの「熱と埃」(Heat and Dust) が人の感覚を麻痺させていくのかも知れません。

また衝撃的だったのは、夫が亡くなった時に妻は夫とともに焼かれるという古くからの習慣があったということ。英国はその習慣を禁止し、1923年焼死した未亡人の家族が逮捕されてその習慣が終わった。(とこの本の中にはある。)

このことについて Olivia は「彼らの信仰の一部ではないのか、そうしたいのならその古い習慣を続けさせればいいのではないか。夫といっしょに死にたいと思う女性もいるのではないか」と反論する。本心からではなく、英国人が疑いもなく自分たちが一番正しいと思い込んでいることに反発したのだ。Olivia は価値観や善悪の判断は絶対的なものではないということをよく知っていたのだと思います。

ちなみにこれで思い出したのは以前読んだ "Burnt Alive"というペーパーバック 。レビューが私のHPに載せてあるのでそちらの方もご覧下さい。

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4.英語の本(Graded Readers)」カテゴリの記事

コメント

死んだ夫と共に焼かれる…ショッキングな事実です。
殉死は古代より人類の歴史の中で繰り返されてきました。
死は究極の状態です

しかしそれを喜んで受け入れる状況が存在するかもしれない。
「価値観や善悪の判断は絶対的なものではない」
その通りだと思います。
正義…道徳…規範
すべて、人其々の立場によって白くも黒くも変わります。

そう考えると大切なのは、「人の尊厳を侵してはならない」こと。
思想、生き方、すべて自由と思いますが、
ただこの1点のみが守るべき事と思えます。

Tom さん

久しぶりにコメントしていただきうれしいです
生まれてきたのが今の日本でよかったなあと思います。

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