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2010年3月26日 (金)

"Memoirs Of A Geisha" (Penguin Readers Level 6)

"Memoirs Of A Geisha" by Arthur Golden
Retold by Michael Dean
102ページ 29,000語

この本は実は今から丁度10年ほど前に原書(ペーパーバックで)で読んでいたものです。教室の生徒さんのために集めている英語多読用の本をすべて先に読んでおきたいというのが主たる理由ですが、実際にこの本がおもしろいことを知っているのでどのように書き直されているかも見たかったのです。原書ではページ数434、字もさらに細かく何倍ものボリュームがありましたが、我を忘れて読んでしまうほどにおもしろいものでした。ペーパーバックの内容や感想は私のHPに載せてあります。こちらです。

本の前書きにもあるとおり、この話は主人公の「さゆり」がテープレコーダーを横に置き自らの半生を作者に語り、それをもとに書かれたものです。「さゆり」や登場人物の死後にのみ発表する、また本名は伏せてという条件であったが、結局その前に発表されることになりました。当時「事実と違う描写がある」として「さゆり」が作者を訴えたいういきさつがあります。

字数制限があるので、削られてしまったエピソードがいくつもあり、原作で感じられた主人公「さゆり」のユーモアやウィットに思わず吹き出してしまうようなところはほとんど感じられなかったと思いますが、充分楽しめるものでした。何より、何倍ものボリュームのある本がこの短さで味わえるのは利点です。

普通なら知ることのない祇園や芸妓の世界は大変興味深く、また第2次世界大戦前後の彼らの状況も垣間見ることができます。(舞台は東京ではなく京都なので「芸者」ではなく「芸妓(げいこ)」という言葉が本当だろうと思います。)

心に響く部分はいくつもあるのですが、今回特に心に残ったのは、ストーリーの本筋ではない部分ですが、「日本海軍の父」と言われた山本五十六の言葉です。彼は一力という御茶屋でゲームをすると必ず勝ち、また彼は常に自分が勝つこと確信していた。「しかし誰だって時には負けることもあるではないか」と反論する者がいたが、彼は「そのとおりだ。だが、私にはない」と言う。成功の秘訣を聞かれた時彼はこう答えた。

"I never try to defeat the man I'm fighting.""I try to make him less confident. When you are more confident than your opponent, you will win."

「私は戦う相手を負かそうとはしない。」「私は相手に自信をなくさせるようにする。自分が相手より自信を持った時、自分が勝つのだ」と。

自信を持つということはそれほどに大きな力を発揮すると言うことです。それは先輩芸者「初桃」とさゆりの立場が逆転した時のエピソードでもありました。

また最後の一文は心に残るものでした。次の通りです。

"Whatever our struggles, and whether we sink or swim, our world is no more permanent than a wave rising on the ocean."「どんな困難があろうが、浮き沈みがあろうが、私たちの世界は海の波のうねりと同じように永遠ではない。」
(原書ではさらに長い表現が使われていました。)

2010年3月23日 (火)

"Heat and Dust"(Oxford Bookworms Library Stage 5 )

"Heat and Dust" by Ruth Prawer Jhabvala
book Retold by Clare West
104ページ

語り手の「私」は、祖父の最初の妻Olivia について知りたくてインドへと渡った。Olivia は英国滞在中にインドのプリンス Nawab と恋に落ち夫を捨て彼の元へと去ったのだ。

Olivia が初めてインドに来たのはインドが英国の支配下に置かれていた1923年。そしてその年、 Olivia の人生は永久に変わってしまった。

「私」がインドに渡ったのは1970年代。1923年と1970年代の50年という時を隔てて生きる二人の英国女性の物語が交互に語られていて、読み出したら止められないまさに「page turner」な本でした。

さらにこの二人の物語のおもしろさに加えて、1923年当時のインドでの英国人たちの暮らしぶりと1970年代のインドの様子が大変興味を引きました。今2010年のインドは1970年代からどれほど変わったでしょうか。

路上で死にかけたこじきの女性を見た時「私」は、医者に助けを求めに行くが、どうにもならない現実を知る。「では彼女はどこでどうやって死ねばいいのか」と思いつめていた「私」が、ふと「何百万人もいるインド人がまた一人死んだからってそれがどうなんだ?」と思った時に、そう考えている自分に驚くのだ。インドの「熱と埃」(Heat and Dust) が人の感覚を麻痺させていくのかも知れません。

また衝撃的だったのは、夫が亡くなった時に妻は夫とともに焼かれるという古くからの習慣があったということ。英国はその習慣を禁止し、1923年焼死した未亡人の家族が逮捕されてその習慣が終わった。(とこの本の中にはある。)

このことについて Olivia は「彼らの信仰の一部ではないのか、そうしたいのならその古い習慣を続けさせればいいのではないか。夫といっしょに死にたいと思う女性もいるのではないか」と反論する。本心からではなく、英国人が疑いもなく自分たちが一番正しいと思い込んでいることに反発したのだ。Olivia は価値観や善悪の判断は絶対的なものではないということをよく知っていたのだと思います。

ちなみにこれで思い出したのは以前読んだ "Burnt Alive"というペーパーバック 。レビューが私のHPに載せてあるのでそちらの方もご覧下さい。

2010年3月22日 (月)

英語多読

最近「英語多読」が巷に広がっているらしいということにしばらく前から気づいていました。「多読する人」は自らを「タドキスト」と称するのだとか(初めてこの語を見たときは w(゚o゚)w ・・・という感じでした。)

ただ私は英語の実力など全く関係なく最初からペーパーバックで英語の原書を読んでいたので、「特に目新しいことでもない」とそれほど関心を持っていませんでした。

ところがあるきっかけで、今年(2010年)に入り「今日から読みます 英語100万語!」 「教室で読む英語100万語」という本をたまたま手に取る機会があり、私の英語の生徒さん達のためにこの「易しい英語をたくさん読む」というやり方は良いのではないかと思うようになりました。ごく簡単なGraded Readers(英語学習者用段階別読み物) やLeveled Readers(英米児童向け学習用段階別絵本)から始めるというものです。詳しくはこちらで

私は英語の本は「原書を」と自分の経験から、生徒さんにも最初から原書を薦めていました。つまり私が自分で読んでみて「易しい英語で書かれていて、内容もおもしろい」と思えたものを読むように勧めていたのですが、それでもやはり難しすぎか、またはおそらく英語の量にひるんでしまい、たいてい挫折で終わってしまうことが多かったです。スキーをするのにまず自力でてっぺんまで登れと言ってるようなものだったのでしょう。スキーの楽しさを知る前にいやになってしまいます。(心はいつも開いておくべきものだと思います。)

そこで今回中学3年生や高校生の英語の好きな生徒さんたちに段階別読み物の一つ Oxford Bookworms のレベル1,2の本を何冊か買い読んでもらったところ「楽しく読めたheart02」という返事が返ってきました。やはり楽に読めることと1冊英語の本を読み通したということは大きな喜びと自信につながるのです。

それ以来 Oxford Bookworms シリーズやペンギンリーダーズ、その他のGraded Readers(英語学習者用段階別読み物) をせっせと集めはじめました。

今のところ本の選び方は、中古の洋書を出しているサイトに売りに出ているもので自分の興味を引くものを主として選んでいます。(中古と言っても新品同様のものが送られてくることが多く驚きます。)何もかも揃った状態のお店で選んでいるのではないので選択肢は今の所狭くなっています。それでもかなり魅力的なタイトルが揃ってきて、生徒のために始めたことではあるけど、実は一番楽しんでいるのは私です。

入門レベルはそこそこですが、レベル1からかなり話がまとまってきて上に上がるにつれておもしろさを増してきます。手元にあるペンギンの資料によると

Easystarts (入門レベル)は英検4級、TOEIC スコア250点、
Level l(レベル1) は英検4級・TOEIC スコア250点
Level 2(レベル2)は英検3級・TOEIC スコア350点
Level 3 (レベル3)は英検準2級・TOEIC スコア400点
Level 4 (レベル4)は英検2級・TOEIC スコア500点
Level 5 (レベル5)は英検2級~準1級・TOEIC スコア600点
Level 6 (レベル6)は英検準1級・TOEIC スコア730点

となっています。オクスフォードのシリーズも同様だと思います(Starterに始まりStage1~Stage 6に分かれています)。別の資料では違ったことも書いてありますが、あくまでも目安です。また、「英検やTOEICでこれが取れていればこのレベルのものがさくさく読める」という意味ではありません。実力が2段階ほど上のレベルに到達した時に初めて快速快読の快感が味わえると思います。また興味あるものは易しく感じるし、興味がなければさっぱりわかりません。これは日本語の本も同様です。

すでに私自身が原書で読んでしまっていた本でレベル1~6までのものに書き直されたものも数冊読んでみましたが、原作を知っているものについては物足りない感じがするというのは確かにあります。「私の一番好きで、重要な箇所が飛ばされているではないか!」など。

しかし一方、原作が300ページ400ページさらにそれ以上に及ぶものでも、ダイジェストバージョンで易しく読めるという利点もあります。レベル5,6ではダイジェストでも字は細かくなり、ページ数も100ページくらいになるので結構な量です。原作を知らずに読み始め、寝る前30分位の読書のつもりが先が見たくて寝るのを忘れて読みふけってしまったこともありました。

短期間に大量に読んだので記憶が薄れてしまった本もあり、この先は「英語の本」のページに原書以外のGraded Readers(英語学習者用段階別読み物) についても時間と体力の許す限り記録を残していきたいと思います。(さて・・・次の記事はいつ書けるでしょうか。)

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