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2010年4月 1日 (木)

"David Copperfield" (Oxford Bookworms Library stage 6)

"David Copperfield"by Charles Dickens
Retold by Michael Dean
102ページ 29,000語

原書は1000ページにも及ぶような大作なので、今回リトールド版でチャールズ・ディケンズの世界が垣間見れたのは良かったと思います。

この本はディケンズが自分の作品の中で最も好きなものだと前書きに書いてあり、作者の体験が色濃く投影された作品のようです。

しかしどうにも納得できない部分もありました。まず主人公デヴィッド・コパーフィールドの母親です。再婚相手の夫は、しつけと称してまだ8歳のデヴィッド に暴力を振るったり、5日間も部屋に監禁したりするのですが、彼女はどうしてこんな男と再婚でき、しかも愛し続けることができたのでしょう。

息子のためにできるのは、ただ泣くことだけ。優しい母親ということになっているけど、美しいだけがとりえの愚かな女としか私には思えません。しかしこれには当時の英国の時代背景を考慮する必要があるのかもしれません。

デヴィッドは母親が再婚する前までは幸せな子供時代をすごしており、再婚前も後も同じ家に住み、ピゴティという使用人がずっといっしょに暮らしていたくらいだから、彼の家庭は少なくとも中流以上の階級に属していたようです。

不幸な子供時代にもかわらず、同時に彼を愛してくれる人々がいたお陰で、デヴィッドは純粋で人を疑うことを知らないまっすぐな心を持ったまま大人になります。彼の善良さは心を打つものがあるのですが、同時に私にはこれが不安材料でもありました。

やがて彼は美しいドラという女性に夢中になり、念願かなって結婚もできました。しかし、結婚とは現実的なものです。自分が結婚したのは、何も知らない子供のような相手であったという現実を知ることになるのです。そして次のように思うのです。

"I felt sorry tht I did not have a real partner in life, with whom to share these worries."

このように、苦労を分け合えるような真のパートナーと呼べる相手を選ばなかったことを後悔する場面があります。聡明で思慮深く彼をずっと愛し続ける美しい女性がずっとそばにいたのになぜ気づかなかったのでしょう。

読み終わった後も、母親とドラという二人の女性についてしばし考えていました。そして思ったのは、この時代のこの階級の女性たちは自分の頭で物を考えたり判断したり、実用的なことをするようには教育されていなかったのかもしれないということです。

むしろ美しく無邪気で子供のようだというのが当時の理想の女性像だったのかもしれません。社会的階級が高いほどそうだったとも考えられます。時代により、国により、社会的階級によっても価値観は変わるものであり、そういった背景の知識なしには本当の意味で何かを理解することはできないのだと思います。

物語もおもしろかったですが、いろいろ考えさせられた一冊でもありました。

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