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2010年4月 6日 (火)

"Rebeca"(Penguin Readers )

"Rebeca" by Daphne Du Maurier
Retold by A.S.M.Ronaldson
105ページ 30,000語

最初日本語の文庫版を借りて、上巻下巻からなるこの作品のほんの最初の部分だけ読んで挫折していた「レベッカ」を今回英語のリトールド版で読みました。

物語は語り手の「私」の追憶から始まり、書き出しの一文は次の通りです。

"Last night I dreamed I went to Manderley again." 「昨夜またマンダレーに行った夢をみた。」

この最初の一文で読者はたちまち不思議な世界に引き込まれるのです。

天涯孤独の「私」はある婦人の付き添いでモンテカルロに行く。そこで、Maxim de Winter(マキシム・デ・ウインター)と言う年上の紳士と知り合いたちまち恋に落ちる。マキシムはマンダレーという美しくて有名な大邸宅の持ち主であり、前妻のレベッカが亡くなってからマンダレーを離れ、放浪の旅をしていたが、「私」と結婚してマンダレーに戻る。

まさしく身分を越えた「超玉の輿結婚」とも言うべきものでしょう。しかし希望に胸をときめかせ大邸宅マンダレーに来た瞬間から「私」の苦悩が始まるのです。

使用人でありレベッカの友人でもあったダンバー夫人はなぜか「私」に敵意、嫌悪、侮蔑をあらわにする。ダンバー夫人のみならず、マンダレーのすべての人たちが自分とレベッカを比較しているのではないかと「私」は感じるのだ。レベッカは何しろ美しく教養があり完璧だったのだ。一方「私」は平凡で、これまでとは全く違った生活の中でおどおどするのみだった。

ある日「私」は使用人の一人フランクに軽い調子で(聞こえるようにして)、「教えて、レベッカはとても美しかったの?」と聞くと、彼は次のように答えた。

"Yes, I suppose she was the most beaufiful creature I ever saw in my life."

レベッカは「私」にはない女性として最も意味を持つすべてのもの、つまり自信、美しさ、賢さのすべてを備えていたのだと言うことを日々思わずにはいられないのだった。

そしてある日、偶然見つけたレベッカの部屋。その部屋に足を踏み入れた瞬間「私」は凍りつく。このお屋敷の中で最も美しいであろう部屋。その部屋はまるで今もレベッカがここで暮らしているかのように整えられているのだ。靴もきちんとそろえられ、化粧台の上にブラシやくしがそのまま置かれ、今にもレベッカが戻ってきてここに座り髪をとかすのではないかという気配。ベッドのシーツの上にはナイトドレスが置いてあり女性のかすかな芳香までがする。時計もレベッカが亡くなってから1年間、今も変わらず時を刻み続けているのだ。

この場面には背筋がぞくぞくしました。

非常によくできたサスペンスで読み出したらページを繰る手ももどかしいくらい、最後まで一気に読ませます。最後にすべての真相がわかってから読み返すと、すべてが符合するのですが、真相が明らかになってからもまた思いがけない事実が浮かびあがり、エンディングもかなり迫力のあるものでした。

この本が書かれたのは1937年です。100年ほど前に書かれたものなのに今も人気は衰えない小説のようです。シンプルバージョンを読んだところでオリジナルも読んでみたいと思いペーパーバックを手に入れたので近いうちに読みたいと思います。410ページあります。やはり書き出しは同様に

"Last night I dreamt I went to Manderley again."でした。("dreamt" は "dreamed"に変わっていました。)
この一文が何故か強く印象に残ります。

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4.英語の本(Graded Readers)」カテゴリの記事

コメント

主(レベッカ)が亡くなっても、まさしく今も息づいて存在している部屋。
その背後には幾重にも折り重なったレベッカを巡る人々の思惑…
michikoさんの文章を読んだだけで、マンダレーに心が飛びます。
その秘密の迷路に飛び込んで、全身で堪能したい衝動にかられます。是非読んでみたいと思いました。

Tom さん

亡くなった前妻の名前がタイトルになっているというのが不気味です。そしてこの主人公の「私」は最初から最後まで 名前で呼ばれることがありません。

映画にもなったみたいですよ。ヒッチコック監督だそうです。ペンギンの表紙には映画の写真が使われています。

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